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家庭用蓄電池は必要か、不要か
【家庭用蓄電池とは】
太陽光発電システムは、太陽光を電気エネルギーに変換はしますが、蓄電機能はありません。
だから夜間や天気が悪い日の電力不足解消策として、送電線を通じて電力会社から電気を買っています。
地震などの災害があった場合、水・電気・ガスのライフラインがすべて止まります。そんな時、太陽光発電システムがあれば昼間だけでも電気が使えるのです。
夜も電気を使いたい。そうなると家庭用蓄電池の出番になります。
【家庭用蓄電池の価格】
本格的な家庭用蓄電池ですと、100万円を下りません。
たとえばパナソニックのリチウムイオン蓄電システム・スタンドアロンタイプ(蓄電容量5kWh)の希望小売価格は998.000円です。
公式によれば、以下の機器を約15時間使用可能。
・冷蔵庫50Wを1台
・LED照明 50Wを2台
・液晶テレビ 100Wを1台
・携帯電話 5Wを3台
【家庭用蓄電池の寿命】
家庭用の蓄電池に使われているリチウムイオン電池の寿命(耐用年数)は、使用条件などにもよりますが、だいたい4千回の充電に耐えます。
つまり、毎日使っても10年もつ計算です。
【家庭用蓄電池の補助金】
国や地方自治体の補助金(助成金)も出る場合があります。国の補助金は、とにかく安く買ったほうが補助金を多く受けられるようになっています。
地方自治体は、自治体によって補助金の条件がちがいます。静岡県 蓄電池 補助金などで検索しましょう。
【蓄電池として電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の利用を考えてみる】
家庭用の蓄電池は、本体価格が高いわりに容量が小さいのが難点です。
そこで、日産リーフのような電気自動車、三菱ハイランダーといったプラグインハイブリッド車を蓄電池として使う手があります。
電気で走る車にためた電気を、家庭で使う電気として利用することをV2Hと呼びます。夜間の安い電気を車に充電し、昼間使うことで電力ピークを下げることにもつながります。
電気は地震が起きたとき、早く復旧するので、電気で走る車(EV、PHEV)は災害救助車としても役立ちます。
【電気自動車のメリットとデメリット】
電気自動車(EV)には電池、バッテリーが積まれていてバッテリーに充電します。充電された電気を使ってモーターを回し、走ります。
充電は家のコンセントからできますし、ショッピングモールなどにある急速充電器を使えば、家のコンセントから充電するよりも短い時間ですみます。
EVは電気で走るので排気ガスがでません。それにモーターで走るので、とても静か。静かすぎるので、歩行者に車が近付いていることを知らせるために音を出す装置が付いているくらいです。
ガソリン車と比べ、発進するとき力強く加速できます。デメリットは、ガソリン車と比べて長距離が走れません。充電時間は日産リーフの場合、急速充電器を使えば30分で80%まで回復します。
日産リーフの電池容量は24kWhまたは30kwHの2車種で、本体価格は280万から。安い深夜電力なら1回300円でフル充電・280キロも走れます。
電気代の高い昼間は、日産リーフの電気を使えばピークシフトや家庭の節電対策に役立ちます。
【日産やダイムラーがEVの電池を蓄電システムに再利用】
欧州で電気自動車(EV)の電池を再利用する動きがひろがっています。日本でも同じような動きがでています。
日産自動車はリーフの使用済み電池、独ダイムラーもスマートで使った電池を再利用して蓄電システムを稼働しました。
EVの電池は劣化すると航続距離が短くなります。しかし、出力は大きく変わらないので定置型蓄電池としては問題なく使えます。住友商事は長崎県で日産リーフの中古電池を向上の太陽光発電の蓄電に使いはじめています。
【プラグインハイブリッド車のメリットとデメリット】
コンセントから充電して走るだけでなく、ガソリンエンジンでも走れるのがプラグインハイブリッド車(PHEV)の特徴です。
ふだんは電気で走り、バッテリーの電気が少なくなるとエンジンで発電して走ります。高速道路ではエンジンで走り、必要なときも電気を使います。制御はコンピューターが自動でします。
メリットは蓄電池として、停電した時に家の電気に使えること。また車内にコンセントがあり、キャンプ場のように電源がない場所でも電子レンジやヘアードライヤー、炊飯器、電気ケトルなどが使えます。
三菱ハイランダーのバッテリーには、一般家庭で使う1日分の電気がためられます。ガソリン満タン状態ならエンジンで発電し、最大10日分の電力がまかなえます。車両価格はベーシックグレードで359万円から。
電気自動車の長距離が走れないデメリットをガソリンエンジンで補っています。デメリットらしいデメリットはありません。
【太陽光発電システムの費用回収面からみた家庭用蓄電池】
200万円の太陽光発電システムの費用を回収するのに、約10年ほどかかります。年間にすれば20万円、売電や節電できている計算です。
ところが100万円という家庭用蓄電池の支払いが上乗せされるのです。合計300万円なら15年かけなければ費用が回収できません。
【2019年度問題で蓄電池の需要が増える】
住宅用太陽光発電の余剰電力買取制度は、2019年で開始から10年が経ちます。売電価格が大幅に下がる家庭もでてくるため、売電をやめて自分で使う家庭がでてくるでしょう。
また太陽光は発電量が天候に左右されますが、蓄電池を使えば1日を通して電気を使いやすくなります。
再生可能エネルギーの拡大を追い風に、大和ハウス工業などが出資する蓄電池大手のエリーパワーは滋賀県に新工場を設け、蓄電池の生産能力を3倍程度に引き上げます。
蓄電池の生産が増えればコストも抑えられ、競争も増えます。消費者にとって買いやすくなる可能性がでてきました。